穏やかな覚醒

両目を開く時にまぶたを持ち上げるのは、上眼瞼挙筋と上瞼板筋という2つの眼筋。
どちらか一方では目は完全に開き切らず、片方の筋肉が弱かったり麻痺したりすればまぶたは自然に垂れてくる。

 

上眼瞼挙筋は自分の意思によって随意に調節できる。
こぶしを開く時に手や前腕の筋肉を意識的に動かすのと同じように、目を開く為にはこの上眼瞼挙筋を動かせばいい。
一方、上瞼板筋は交感神経(行動に向けて体を自動的に準備させる神経)によって制御されているため、普通は本人の意思で調節できない。

 

これらの2つの眼筋は本人の生理的状態に反応して連係して働く。
例えばひどく興奮したり苛立っている時は、過敏になった精神が上眼瞼挙筋を含む体中の随意筋を活性化させ、目を大きく見開かれる。
同時に、活発になた精神が交感神経に働きかけ上瞼板筋を刺激し、目は無意識のうちにさらに大きく見開かれる。

 

逆に睡眠中は意識が遮断されるので、神経系から上眼瞼挙筋へ伝わるはずの「まぶたを持ち上げろ」という指令がストップする。
同じく交感神経の働きも穏やかになる為、上瞼板筋は次第に緩んでいく。
やがてまぶたは閉じられ、知らず知らずに心地よい眠りの中に落ちていくというわけだ。

 

穏やかな覚醒というバランスのとれた状態、つまり抑制を受けない活動状態と無意識な休息の中間地点にいる時、まぶたは自然に重みを増し、完全に開いても閉じてもいない位置に下りてくる。
半開きになったまぶたは、半活動的で半受動的な精神状態を如実に物語っている。

 

 

生活に生きるヨガ