下向き半眼の効果

意識が穏やかに覚醒している時、まぶたのあるべき位置が半開状態であるとするなら、意識的にこの位置にまぶたを保っておけば、この状態を得ることができるだろうか?
ヨガをはじめとする古くからの伝統的な瞑想法によれば、答えはイエスだ。

 

ヨガ教典の一つ、「ハタヨガ・プラディーピカ」には、パドマーサナ(蓮華座)をとる際に鼻先を見つめるように書いてある。
中国の古典、「太乙金華宗旨」でもほとんど同様のプラクティスが奨励されており、次のような記述がある。

 

「仏教と道教の2人の創始者とも鼻先を見つめるように説いている。・・・鼻先は目の指標である。・・・目が開かれ過ぎると視線が外に向き心が乱れる。固く閉ざされていると内側に入り込み、夢想の世界に陥る。半眼状態にあるときのみ鼻先を正しく見つめることができる。大切なのはまぶたを正しい位置まで閉じること」

 

中国の賢人たちは、下向きの半眼が心を鎮める力を生むのは、瞑想をする者の視界が狭まり、外界から心を乱されず、また内側に入りすぎることもないからだと説いた。
もちろんこれは正しいが、視線を落とすことが自動的に上まぶたを下げる一因になっていることも付け加えておきたい。
従って、おそらくこの「心を鎮める力」は、まぶたをコントロールする神経の働きにも起因している。

 

つまりこういうことだ。
神経が過敏になり、目が大きく見開かれているところを想像してほしい。

 

そこで視線を下げると、まぶたを持ち上げていた2つの筋肉がリラックスし、反射的にまぶたが下りてくる。
随意神経と交感神経を鎮めることで、筋肉の緊張が解ける。
すると、その副効果として、気持ちまで穏やかになり、生理的な活動レベルを全体的に抑えることができるというわけだ。

 

 

生活に生きるヨガ