瞑想のゴールとは

実験を行った際の脳スキャンでは、驚くべきパターンが発見された。
被験者たちがネガティブな自己表現を考察した時に、その情報処理に関係する脳の回路網の活動が盛んになったのだ。

 

つまり、プログラムの前よりもネガティブな表現に対してもっと注意を払ったことになる。
にもかかわらず、ストレスと不安に関係する扁桃体の活動は低下していた。
さらに最も重要な発見は、被験者が苦痛をあまり感じなくなったことだ。

 

「被験者たちは不安や心配が軽減されたと報告しています。落ち込むことが少なくなり、自己評価が高くなったのです」

 

この結果についての解釈は、マインドフルネス瞑想によって、不安を抱えた人たちが苦しい思考や感情に圧倒されることなく、それらの対処法を身に付けたというものだ。
多くの人は不快な思考を無理に押しのけるか、あるいはその思考に取りつかれて、不安は余計に強まる。

 

「瞑想のゴールは、思考や感情を排除するのではなく、それらに固執することなくやり過ごす方法を学ぶことです」

 

脳スキャンでは、不安障害に悩む人がいわゆる不安障害の反応に陥ることなく、ネガティブな思考を観察できることを示唆している。
別の研究でも、マインドフルネス瞑想は、持続性のあるポジティブな変化を脳にもたらすことが確認されている。

 

例えば、マサチューセッツ総合病院とハーバード大学とによる最近の研究では、ひどいストレスを抱える26人の成人が、ゴールディンの実験方法にならってマインドフルネス瞑想をベースとした8週間のストレス軽減プログラムを受けた。
プログラムの前後に脳スキャンが行われたが、ストレスが減ったと報告した被験者の扁桃体には、灰白質密度の減少が見られた。
それまでの研究で、トラウマと慢性的なストレスが扁桃体を肥大、活性化させて脳の他の部分と繋がることで、ストレスと不安が増大することが分かっていた。
この研究は、脳の活性化が低下し、抵抗力が高まるという、逆方向への変化を示す初めての事例でもある。

 

これらの研究を総合すると、8週間のマインドフルネス瞑想のような短期間のメンタルトレーニングは、人々の精神衛生に大きな変化を生むという興味深い証拠を提示している。

 

 

生活に生きるヨガ