思いやりの瞑想

私たちは概して自分の感情域を変えることのできない、生来の性格の反映と考えがちだ。
ところが研究によると、思いやりの気持ちを感じる能力を養い、それをさらに高める可能性があることが明らかになっている。

 

また、他者とつながる感覚が、その他の能力と同様に習得可能であることも分かっている。

 

「私たちは、瞑想が思いやりを養い、そして人の行動と脳の機能の両面で変化が見られることを実証しようとしています」

 

と博士は話す。

 

では、脳の中で思いやりはどのように表されるのだろうか。
博士と研究チームは、思いやりの瞑想を経験した瞑想者と経験していない瞑想者という2つのグループに分けて同じ支持を与えた。

 

まず大切な人のことを思い、その感情を他者へ広げ、最後に特定の対象なしに愛と思いやりを抱く。
各被験者はfMRIの脳スキャナー内部での瞑想中に、気遣いや心配の感情を呼び起こすような、赤ん坊が喉を鳴らす声や女性の叫び声など、人間が思わず発する音で妨げられる。

 

その結果、全員がこれらの音に対する感情的反応を示した。
思いやりの瞑想経験の長い人は、特に苦痛から生じる音に対して、肉体的な感覚処理と感情的な反応に深くかかわる領域で大きな反応が見られた。
また脳の変化に呼応して心拍数の増加も観察された。

 

これらの研究は、瞑想する人は心からの共感を表し、瞑想経験の長い人はさらに深い思いやりを抱いたことを示唆している。
つまり、思いやりの瞑想はおのずと他者とつながっていく脳を形成するのではないだろうか。

 

さらに、これらの瞑想テクニックは自発的な思いやりの気持ちを抱くこと以上の恩恵をもたらす可能性がある。
ノースカロライナ大学チャペルヒル校の心理学教授と研究チームは、7週間の慈愛の瞑想コースの参加者が日常生活で喜び、感謝、希望を感じる度合いが高まったと発表した。
参加者は瞑想すればするほど気分がよくなったという。

 

さらには自己受容、社会貢献、人生の意義、生活の充足度をより強く実感できたとともに、病気やうつ症状が軽減したと報告している。
この研究は、疎外感という錯覚を徐々に取り払うことで人生とより有意義に付き合っていけるという強力な証拠でもあるといえる。

 

 

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