意図的に休息するためのもの

シャヴァーサナは、単なる鎮静剤ではない。
この伝統的なインドのヨガの練習は、意図的に休息するためのものだ。
よく練られたシークエンスの後は、活性とリラクセーション、マインドの鎮静と集中を同時に味わう必要がある。
シャヴァーサナを練習する間、意識が冴えた状態でマインドを静止できれば、その多大なる恩恵を享受することができる。

 

また、アーサナ練習の後、横になって休息することによって、ティーチャーたちがよく言う「現在」や「いま存在していること」を味わうことができる。
それは、外的環境や体型、人格、行動を通じて意識できるものではなく、もっとシンプルなこと―
つまり身体やマインドが日々の義務や喜びから一時的に離れて真だ状態になっても、存在しているものだ。

 

シャヴァーサナで静かに静止する間に、身体とマインドはクラスで経験したすべての動作、インストラクション、感覚を統合することができる。
アーサナ練習での経験をシャヴァーサナで吸収できれば、平穏で研ぎ澄まされた意識を保ちながら、クラス後の様々な状況に向き合うことができるのだ。

 

多くのティーチャーが、シャヴァーサナは最も重要なアーサナであると考えている。
この静かで控えめなポーズこそが、私たちを真の精神や、ヨガの目的、さらには自分が何かの大きな存在の一部であるという気付きに最も近づけてくれるからだ。

 

「静かに横たわって、リラックスしながら、ただ呼吸をするだけの機会を、人生のうちで一体何回自分に与えられるでしょう」

 

と問いかけるのは、ワシントン州スポケーン、ゴンザガ大学の人間生理学教授でヨガティーチャーでもあるクリスティーナ・ガイトナー。
アメリカスポーツ医学会の広報も務めるガイトナーは、シャヴァーサナによって全身の筋肉の緊張を軽減でき、静かな場所で邪魔されずにリラクセーション反応を高めることができる。
さらには、日々の心配事を手放すこともできる。

 

「身体、マインド、精神が調和されて、心地よい心理状態が生み出されます。マットから離れる前に、穏やかでリラックスした状態で練習を終えられる素晴らしい方法です」

 

今では科学者や医療従事者たちもシャヴァーサナの有益さを評価しているが、多忙な人々に特に効果があることは、ヨガティーチャーたちはかなり前から認めていた。

 

ワシントン州ベルビューにあるパーナヨガ・センター創立者、アーディル・パルキヴァラは1960年代後半にムンバイで有名な弁護士だった彼の母親が、手っ取り早くできるヨガ・プログラムを教えてもらおうとB.K.S.アイアンガーを訪ねた時の話を語る。

 

母はアイアンガー師にこう聞いたのです。
「練習を一通りやる時間がありません。必ずやるべき最も重要なポーズは何でしょうか?」と。

 

するとアイアンガー師は答えました。
「ヘッドスタンド2分、ショルダースタンド5分、シャヴァーサナはできるだけ長く行いなさい」

 

パルキヴァラは、これがアイアンガーの最適な練習のための普遍的なルールではないことをあわてて付け足した。
「この3つだけのアーサナの練習は、母が最も忙しい時だけ行うように特に組み立てられたものです。週末は、母もフル・プラクティスを行っていました」

 

とはいえ、アイアンガーがこの3つのポーズのシークエンスにシャヴァーサナを含めたことからも、その重要性は明らかだ。

 

 

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